共愛学園高等学校
自分発見ができる子どもたちを見守ります
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共愛学園中学校通信 No.10 発行(教頭)

  「共愛学園バザー開かれる」
1922年に始まった共愛バザーも既に94年を数える伝統の行事となりました。今年のテーマは「今日、愛でもてなす~共愛バザーから世界へ」でした。バザーパンフには3b浅見侑里さんの作品が選ばれ多くの来場者に配られました。共愛バザーは生徒の他に同窓会、保護者ベタニア会、賛助会など多くの外郭団体の協力を得て盛大に行っている行事です。小雨からのスタートでしたが、二日目には天候も回復して、来場者数7781名を数えました。この数字は受付を通過された方の数なので、実際はもっと多くの来場があったと思われます。中学生は食堂や宗教コーナーを中心とした学校部署での活動の他、中学有志「俺のジブリ~夢だけど夢じゃなかった~」と題した体験型アトラクションを発表して、二日間で1400名以上の来場と言う大盛況振りでした。そしてベタニア会より「特別賞」の表彰を受けました。夏休みから中学校委員と有志のみなさんの努力のおかげです。とても良かったです。この他にも吹奏楽部、ハンドベル、英語部、茶道部、筝曲部、理科部、地歴部、園芸部などのクラブ発表でも中学生は頑張ってくれました。そして何と言っても中学校全クラスが寄贈品100%を達成して、これも全クラスが表彰を受けています。皆さんお疲れ様でした。
バザー製作品優秀賞表彰:長谷川莉花3a 浅見侑里3b 増田英里奈3c
バザー寄贈品100%達成クラス表彰:1年a組b組c組、2年a組b組、3年a組b組c組
ベタニア特別賞:中学校委員会         バザーパンフレット裏表紙:浅見侑里3b
  ※2017年共愛中学カレンダー販売中(500円、阿部まで)
 
~9月15日中高合同アッセンブリー(広島研修)から~
  9月15日の中高合同アッセンブリーは「広島研修」の報告でした。中高それぞれ代表者による広島平和学習の感想発表とスライドショーを通して8月6日の平和祈念式典の様子などを知ることが出来ました。

  「広島研修に参加して~黒い雨の恐怖~」                3年a組  林 香織
  8月6日、私は生きる喜びと人間の愚かさを知った。それは恐ろしくも人々を一瞬にして消し去り、 多くの者は溶け、水を求めさまよい歩いた。私は現地に行き、目で見て耳で聞いて想像した。
「水をくれ、水をくれ」、目を閉じると聞こえてくるこの声は、どんな意味を持っているのか。群馬にいてはわからない事だった。どうして、水をくれと嘆くのか。それは原爆によって火傷をすると体内の水分が失われてしまうからだ。しかし、人々には被災による生命の危機に直接つながる火傷だが、逆に多く水をあげてしまうと、安心して緊張感が解けて生きる力を失ってしまったと言う。そして、多くの資料の中でも一番目をひいたのが、壁につたわり落ちた黒い雨だ。話しには聞いた事があったが、身の毛がよだつほどの恐怖を覚えた。この雨は重油のようなねばりけのある大粒の雨で、放射性降下物の一種だ。この雨によって二次的な被害が生まれた。この雨に直接うたれた人達は、頭髪の脱毛や歯ぐきから大量の出血、血便や急性白血病による吐血などの急性放射線障害が起きるのだ。被爆者たちは、この雨を有害なものと知らず、喉の渇きを少しでもうるおそうと口にする者も多かったそうだ。黒い雨は、爆風や熱線の被害を受けていない地域にも降りそそぎ、広範囲に渡り深刻な放射能汚染をもたらしたことを知った。原爆が落とされたその日から、時を止められた時計。そして、広島にある落とされた日から示した日数電光板を私は忘れない。この時を、奪われた時計のようにその日その場のことを。そして、あの電光板のように原爆によってひき起こされた悲劇を語り継ぎたい。平和な日本を私が生きている限り受けついでいきたいと思う。

~第26回吹奏楽部定期演奏会開催される~
 10月9日(日)伊勢崎市文化会館で第26回共愛学園吹奏楽部の定期演奏会が開かれました。中学生15名高校生43名の計58名によるバンド演奏でした。部長は共愛中学から6年間トランペットを担当している高3の本多叶佳さんで、特に高3生が最後のステージを盛り上げてくれました。コンクールの曲から大河ドラマや映画音楽またJポップまで幅広い曲を披露してくれました。来年は前橋市民文化会館で9月16日に開催されます。
※今年は前橋市民文化会館が改築中のため利用できませんでした。

  10月13日のアッセンブリーでは7月25日(月)から8月7日(日)に掛けて実施されたオーストラリア夏期研修の様子を、感想発表とスライドショーを通してその充実した研修振りを紹介してくれました。

「オーストラリア短期研修に参加して」                  3年c組 金子夏樹
 私は今回のオーストラリアで学んだ事が四つある。まず一つ目は、「伝える気持ちが一番大切だ」と言う事だ。
ホームステイ初日から何日間は、お互いになかなか上手く気持ちが伝わらなかった、そんな時には、同じ言葉だけでなく他の言葉に代えたり、わからない事は何度でも聞いたりする、など伝えようとする気持ちが大切なのだと感じた。と同時に、日本語は、一つの情報からより多くの情報を引き出そうとする言葉なのだと気がついた。
グロソップスクールでも、自分の気持ちや思っている事を伝える事で会話が弾んだ、と言う経験を多くした。日本に居ると忘れがちだが、伝える気持ちが大切なのだと学ぶことが出来た。
 二つ目は、家族のあたたかみだ。私はホームステイをしはじめた頃、ホストとうまく話せず、悩んでいた。そんな時は、きまって日本に居る家族の事を思い出した。自分はいつも家族が近くにいて、守られた中で生きてきたのだと、初めて気付いた。家に帰れば家族が居て、思っている事を素直に話すことが出来るのは、とてもありがたい、めぐまれた事なのだと実感した。オーストラリアのホストファミリーも、ご飯を食べる時、オーストラリアについてやその日にあった事など、沢山お話してくれた。私が何度聞き返しても、嫌な顔ひとつせず、分かり易く説明してくれた。いつの間にかオーストラリアでの家での生活もリラックスでき、家族との会話も楽しめるようになった。家族は、自分の中で本当に大きな存在なんだと強く感じる事が出来た。
 三つ目は、感謝の言葉の重要さだ。私がこの短期留学で、一番使った言葉はthank youだった。オーストラリアの人達はとにかくフレンドリーで明るく、優しかった。日本の人達の優しさは、自分が一歩ひき、相手を気遣う優しさだ。だが、オーストラリアの人達は、寄り添ってくる、フレンドリーな優しさだった。最初こそ驚いたものの、私はオーストラリアの人達のフレンドリーな優しさが好きになった。そんな時、相手の目を見て、しっかり感謝を伝えると、とても喜ばれた。感謝の言葉は口にして相手に伝える事ではじめて、意味のある言葉になるんだなと思った。と同時に、今までの自分は、ありがとうの言葉を薄っぺらく使っていたのではないのだろうかと思った。しっかり、相手に伝えるという事は、いざするとなると、とても恥ずかしいと思う。だからこそ今回のオーストラリアの人達が教えてくれたように、感謝の気持ちをしっかりと、伝えるべきなのだと思う。
 四つ目は、様々な文化の違いだ。スクールバスに乗っていて、ふと外を見たとき、野生のカンガルーがとび跳ねていていたときは、とても驚いた。他にもポッサムも見た。オーストラリアは、本当に自然豊かな国なんだなと少し感動した。日本ではまず見られない光景だろう。文化の違いといえば、学校での生活が、まず大きく違っていた。グロソップスクールには、リセスと呼ばれるお菓子休憩時間があった。一時間目の95分授業が終わると、そのリセスの時間になる。家から持ってきたスナックを食べても良いし、キャンテイーンにある軽食を食べても良いのだ。日本とは違い、オーストラリアの規則の自由さに驚いた。授業も日本とは違った。自分達で考える授業がとても多かった。個性を大切にしている様子に、オーストラリアの人達のフレンドリーさが、こんな風に育っているのかと思うと楽しかった。他にも買い物やスポーツ、動物の様子や、沢山の星など、日本では出来ない事やものに、見て触れて体験することが出来た。
 この二週間、もちろん大変な事も多くあった。だが、それを優に超えるほどに充実した毎日だった。中学生で二週間と言う決して短くない留学。本当にありがたい事だと強く感じている。またいつか、グロソップの皆、ホストファミリーに会いに行きたい、来年のオーストラリアの人達が日本に来る日が今から楽しみだ。

「オーストラリア短期留学」                3年a組 藤澤光希
  夏休みを活用し、僕はオーストラリア短期留学をしました。最初は初めて長い間海外に滞在する楽しみやしっかりと英語で会話できるかという不安の両方の気持ちを持って共愛から出ました。ハワイの時とは違い、成田ではなく羽田からオーストラリアへ向かいました。長い時間飛行機の中で過ごし、シドニー空港に着きました。そこでは、日本とは違う所が早速たくさんありました。セキュリテイーがシドニーではとても厳しく細かいチェックなどがありました。こうした所から安全に国内へ入れるのだと実感しました。それから、国内線へと移ってアデレードまで行きました。アデレードに着き外へ出た時はとても寒くて本当に冬なんだなと思いました。そしてグロソップまでバスで向かいました。向かう途中の休憩所でフライドポテトを食べました。寒かったのでホクホクのポテトが美味しく感じました。グロソップに着いた時はもう夜でグロソップハイスクールでそれぞれのホームステイ先へと分かれました。僕を迎えてくれたホームステイ先の家族はとても優しく接してくれました。少し緊張していて上手く答えることが出来なかった。そのまま外食へ行きオージービーフのステーキとポテトを食べました。ものすごいボリュームで「マジか、すごい量でやばいなあ」と思いましたが、家族の人はすぐに食べていたので「さすが外国人だな」と思いながらも根性でその場を乗り越えました。家では自分の部屋を紹介してもらい直ぐに整理をしました。自己紹介がまだだったので日本のお土産を渡しながらしました。僕の家族はホスト受け入れには慣れていたようで、僕が好きな事はしても良いと言って気遣ってくれました。それが何よりも優しくて嬉しかったです。その日はぐっすりと眠れました。
 それからはいつも朝8時に家を出てスクールバスに乗った。僕の場合、ホストブラザーがグロソップの大学生だったので学校では違う学生がバディーとして接してくれました。その彼も昨年、共愛に来たことがあってすぐに仲良くなれました。だいたい学校ではバディーとの授業でした。高校生の内容でしかも全て英語なのでまるで二教科授業を受けているようでとても良い経験でした。その他にも体育でサッカーやバスケをしたり、家庭科でバディーとみんいっしょにピザを作って食べたり、バディーとはほとんど一緒でとても楽しかったです。さよならパーティーではお世話になった人達と楽しい思い出を作りました。最後にホームステイ先の家族とバディーに感謝の手紙を読み、渡しました。そこでは少し泣きそうになったけれど、ハグをしてこらえました。
家族やお世話になった人達と別れた次の日は一日アデレード観光でした。都会の方なので大きな建物が目に付き、ビルやスタジアムそして教会などどれも大きくてびっくりしました。市内でも本当に楽しい経験が出来ました。日本に帰って来た時は「なんて暑さなんだ」とオーストラリアとの温度差を感じました。暑い中、共愛に帰って来た時は「二週間てこんなにも短いんだな」と思いました。今回のオーストラリア留学ではたくさんの経験と人々との関わりの大切さ、いつもと違う言葉の生活など本当に良い経験をしました。家族や先生方の協力のおかげだと思います。この経験を次に生かせるよう頑張りたいと思います。みなさん、ありがとうございました。

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