共愛学園高等学校
自分発見ができる子どもたちを見守ります
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2022年度 共愛学園中学校通信 No,12

2022年度 共愛学園中学校通信 NO12                 2022年12月2日                                                                       
文章 中学教頭 阿部 智
    
 収穫感謝礼拝11月24日(木)~藤田基道牧師~ 

 11月24日木曜日、収穫感謝祭の特別礼拝が行われました。藤岡市にある日本キリスト教団緑野教会の藤田基道牧師からお話をいただきました。教会の幼稚園にお子さんを通わせていた「ひろしさん」ですが火災でそのお子さん3人を亡くされました。癒えない哀しみの中でしたが、お子さんたちが育てたもち米が実り、そのもち米で園児達と餅つきをしました。亡くなった子供たちと園児たちで「いのちの糧」を分け合いました。喜びも悲しみもあらゆるものの命の根源である神に感謝することが、今とても大切であることを教えてもらいました。この感謝の気持ちが他人や自然を大切にすることにつながるのです。  
ツリー点灯式11月25日(金)~放課後~  
11月25日(金)野外ステージにおいて恒例のクリスマスツリー点灯式が行われました。野外ステージ中央に聖歌隊が並び、望月先生の司会進行で点灯式が行われました。今年の点灯式では荒谷先生が、ヨハネによる福音書1章1節からお話をしてくださいました。一人一人がイエス様の光を心に迎え、神様の愛の光を、紛争や差別、また貧困の絶えないこの世界に灯しましょうと祈りを捧げました。今も新型コロナやウクライナ紛争で苦しんでいる人々がたくさんいます。世界中の人々が平和で平安なクリスマスを迎えられるようにお祈りします。    
      
~共愛生の活躍~ 
※エアロビック
 第39回全日本総合エアロビック選手権大会全国大会(AD種目)  第4位:佐々木叶夢2c
※テニス
 エディオンカップテニストーナメント  ダブルス優勝、シングルス第4位:亦野匠1c
※校内読書感想文コンクール:
最優秀賞「命のつなぎ方」 本悠記2a  ~湯本香樹美著 『夏の庭』~
優秀賞「常識と偏見と」 栁澤樹1b   ~安田夏菜著 『セカイを科学せよ』~
※第23回群馬県中学校英語弁論大会 Honorable Prize 相澤友里3c

~新中学校委員会役員決まる~
11月10日(木)6h、中学校委員会役員選挙が大礼拝堂で実施されました。今年は17名もの立候補があり、
白熱した役員選挙となりました。10日の選挙では2名の役員が決まらなかったので、さらに22日(火)に2回目の選挙を行いましたが、こちらも6名の立候補がありました。これだけ立候補が多かったと言うことは、それだけ学校生活に対する思いや、皆のために頑張る仲間がたくさんいるということです。役員に選ばれた方にはこれからの活躍を期待します。また、投票した中学生のみなさんも自分たちの代表ですから、共愛中学校のために、また自分たちのためにも協力と応援をお願いします。
会長:秦 颯花2c   副会長:松原幸希2b   佐藤朱浬2c                 
役員:久保田百花2a   内城りな2c  中村龍太1a  松田一里1a  井田悠愛1b  中村かすみ1b   

これからの予定(必ず確認しましょう)
   12月 7日(水)~9日(金) 中学3年生三者面談:中3生は午前放課
       9日(金) 6h第一回中学入試準備
      10日(土) 第一回中学入試 ※校内立ち入り禁止
      12日(月) 中学入試判定会議(5,6h) ※生徒は午前放課
     14日(水) 中3校内推薦会議
     20日(火) 中3月例テスト(1~5h)  6h成績会議 ※生徒は5h後放課 
     23日(金) 終業式 ※教頭面談      ※24日(土)~1月6日(金)冬休み
     26日(月)     ※教頭面談
   1月 7日(土) 始業式 高校入試準備
     10日(火) 家庭学習
     11日(水) 中1,2実力テスト(5,6h授業) 
           中3月例テスト(6h授業)  
     14日(土) 休業土曜日
     21日(土) 休業土曜日(第3と第4の振替)
     23日(月) 代休(1月7日の代休)              

~校内読書感想文コンクール最優秀賞~
「命のつなぎ方」 本 悠記2a

 私は私の家の庭が好きだ。どの季節もその時期の良さが感じられるが、とりわけ夏は面白い。アメリカヤマボウシやシャラの木は豊かな緑をつけ、芝生が青々と茂っている。蜜柑の木は星のような小さな花をつけ、まだまだ大きくなりそうな黄緑色の花梨の実が成っている。どんなに暑くても虫は活発に動き回り、それがお目当ての鳥もやってくる。毎年、我が家にやって来る燕の子育てが見られるのも夏の風物詩の一つだ。夏の庭は、様々な生物の「生命」を実感できる。夏の庭という題名から、私の大好きな夏の情景や、生き物達の楽しく愉快な物語なのかと思い、手に取ってみた。その期待は、良い意味で裏切られたのである。
 物語は、三人の少年の悪だくみから始まる。その悪だくみとは、もうすぐ死にそうなおじいさんを死ぬまで観察することである。三人のうち、二人はまだ「死」について身近に感じられない。というのも、家族、親戚の中に亡くなった人がいないからである。三人の中で木下だけは違った。最近祖母を亡くしていた。死にゆく人の観察なんて、とてもやる気じゃなかった木下に対し、私は共感した。もし自分がその場にいたら、木下と一緒になって悪だくみを阻止しただろう。好奇心旺盛なのは分かるが、面白半分でやるにはあまりにも非常識だ。でもその非常識な行動のおかげで、おじいさんとの交流が始まるのである。
 おじいさんという人は、見た目は目つきの鋭い強面だが、心の優しい大人だと感じた。それは、三人が、おじいさんの敷地に入っていることがばれた時、感情的に怒鳴ったりはしなかった。不法侵入で警察に通報されてもおかしくないのに、誰にも言わず観察を続けさせてくれたからである。最初は興味本位でおじいさんに近づいたが、次第にそれが暖かい交流に変わっていくような気がした。少年達とおじいさんの歳の差は半世紀以上あり、祖父と孫のような関係かと思い、読み進めていくと、何か違和感を感じた。少年とおじいさんとの交流はどんどん深まってゆく。花壇に花の種を植えたり、一緒に西瓜を食べたり、まるで親友のようだった。読んでいくうちに最初は楽しかったが、私は徐々に心が苦しくなった。それは亡き祖父のことを思い出したからである。
祖父も尊敬できる、素敵な人だった。私が庭を好きなのも意味がある。蜜柑の木があるのは、私の大好物だか
ら祖父が植えてくれた。花壇にミニトマトを一緒に植えたことがある。初めはなかなか実がつかなかったが、ある時から急に枝がしなる程実がなったことがあった。後から祖母に聞いたのだが、祖父は私の見ていない所でこっそり肥料をあげていたらしい。また、ある時はつばめのヒナが巣ごと落ちていることがあった。そこで祖父は、板と発泡スチロールを用意して、巣の補強をしたのである。ヒナ達は発泡スチロールの巣がとても気に入った様子で、そこから立派に巣立っていった。二年前、病気が発覚してから二週間で亡くなってしまった祖父。私と祖父は、ただの家族関係ではなく、私にとっては親友以上の大事な存在だった。その頃は、一緒にいられることが当たり前だったから、祖父を失った悲しみは、本当に辛かった。あの時の幸せな時間はもう二度と戻らないのである。
 だからこそ、少年達とおじいさんの楽しいやりとりが有限なことに気づいていたから、切なかった自分がいた。少年達とおじいさんのお別れも急に訪れた。泣きじゃくる三人の気持ちは痛い程分かる。私はその三人に伝えたい。それは、悲しみは永遠でない事と、大切な人を失っても、心の中で生き続ける事である。
 私は祖父を失って、最近気づいたことがある。それは、家族と祖父との思い出話を語り合うと、なぜかみんな笑顔になる。それはどれだけ祖父のことが大好きだったか実感できるからである。祖父が大事にしていた庭を見ると、今日も鮮やかな緑があり、生き物も嬉しそうだ。今年我が家に来た燕は、祖父が助けたヒナの子供の子供かもしれない。そう思うと、自分の心以外にも、祖父がつないだ生命が今もこの世に存在するのである。私が今、祖父に言いたい事、それは、
 「命の尊さを教えてくれてありがとう。これからもずっと大好きだよ。」
 この本を読み終えて、とても爽快感にあふれた自分がいた。

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